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うっかりが過ぎる話。

by 中井

世の中にはおかしな食べ物がある。

チャレンジしたけど流行らなかったもの。
逆に爆発的に売れたもの。

「それ本当に合うの?」

と思ったものが、いつの間にか定番になっていることもある。

例えば、いちご大福。
餅と餡子だけで完成していた世界に、突然苺を放り込んだ。

当時はきっと、
「果物は果物で食べろ」
という保守派もいたはずだ。

それでも今や和菓子界の主力選手。

こういうのを見るたびに思う。
最初に考えた人、絶対変人だっただろうなと。

そして先日、それにも増して強烈なものを見つけてしまった。


二度見した。
いや、三度見した。

なぜカレーパンをまたパンで挟もうと思ったんだ。

焼きそばパンはまだ分かる。
具が麺だからだ。

でもこれは違う。
パンの具がパンである。

王将で、チャーハンをおかずに白飯を食べている人を見たことがある。
カレーパンサンドは、それと似た衝撃だった。

ただ決定的に違うのは、今回は個人の暴走ではない。
企業が会議を開き、ゴーサインを出している。

しかもパッケージには、
「食パンにカレーパンをはさんじゃいました。」
と書いてある。

普通なら、”はさんじゃいました”では済まされない。

どんな奴だ。
はさんじゃったのは。

「すみません!うっかり挟んでしまいました!」

「何を挟んだんだ!?虫か!?髪の毛か!?」

「パンです!うっかりパンでパンを挟んでしまいました!」

「パンを…挟んだ?」

「はい!」

「いいねー!」

いいわけがない。
一流企業が何をやっているんだ。

ったく…。

と言いながらも、まんまと買ってしまった。
そして帰って食べてみたのだが。

まぁ、その…。
これが普通にうまかった。

パンの間にカレーパンが入っている。
冷静に考えると意味が分からない。

でも食べると普通にうまい。
もしかしたらいちご大福を初めて口にした人も、こんな気持ちだったのかもしれない。

最初に考えた人。
変人扱いしてすみません。 

でもやっぱり、パンにパンはやりすぎだと思う。

(おわり)