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エロ本ひとつで前向きになれた話。

by 中井

昔は苦手なものを減らすことばかり考えていた。

冬が嫌い。朝が苦手。ニンジンは論外。
歩くのもだるいし、掃除も後回し。

気付けば人生の大半を回避でやり過ごしてきた。

できるだけ嫌なものに触れないように。
できるだけストレスを感じないように。

でもこれ、冷静に考えると無駄に敵が多すぎる。

ある時、ふと思った。

人生とは
『敵を減らすゲームではなく、味方を増やすゲーム』なんじゃないかって。

例えば冬。

普通に嫌い。
空気が冷たすぎて心が折れていく感じがするし、ベッドから出る時は毎回ちょっとした決断がいる。

でも、コンビニで買った肉まんはやたら旨い。

その瞬間だけ、冬がちょっと気の合うヤツになる。
さすがに夏はこうならない。

朝も同じ。

基本はラスボス。
一日の始まりだというのに、登場の早すぎる感じが更に苦手。

でも、日差しを浴びながら飲むコーヒーは、朝という存在にほんの少しだけ意味を与えてくれる。
まだ何にもしていないのに、ちゃんと始まってる感じがするから不思議だ。

で、その感覚をもう少し味わいたくて、ちょっとだけいいコーヒーを買ってみた。
それだけで寝る前から「明日の朝、ちょっと楽しみ」と思えるようになった。

そう言えば、学校もたぶん同じだった。

基本的には嫌いな場所だった。
行かずに済む理由を常に探してた気がする。

でも、友だちにエロ本を借りる約束をしてた日は違った。

とにかく早く行きたくて仕方なかった。
何なら枕とパジャマ持って前の日から泊まってもいいとさえ思っていた。

これも学校が好きになったわけじゃない。

ただ、
『行きたくなる理由』がひとつ増えただけ。

まぁ実際に増えたのは、
『イキたくなるおかず』なんだけど。

たぶん好きとか嫌いって、そんなに簡単にひっくり返るものじゃない。
ただ、その中にひとつでも『理由』があると話は変わる。

冬の肉まん。
朝のコーヒー。

ニンジンはまだちょっと苦手だけど、カレーに紛れてるやつならなんとかいける。

歩くのも音楽があれば楽しくなるし、掃除も5分と決めてやればいつの間にか20分が経過してたりする。

人って案外シンプルにできてる。
好きになれる理由を探していくことで、いつのまにか嫌いだった時間が楽しみに変わる。

とりあえず明日の朝は、コーヒーがあるから起きれるはずだ。

ただ買うコーヒーがどんどん高くなっていて、そのうち自分で栽培しはじめないか、今からちょっと不安だったりもする。

(おわり)