
昨日、アラヤ店長が書いていたが、世の中には「アンガーマネジメント」という言葉がある。
怒りをコントロールしましょう。
感情を整理しましょう。
深呼吸しましょう。
6秒待ちましょう。
正しい、これは非常に正しい。
だがその前に、会社のハンガーをなんとかすべきでないだろうか?
こちらは別に、感情のコントロールに失敗している訳ではない。
問題はもっと物理的で、もっと現実的で、もっとプラスチックである。
そう。
ハンガーだ!!
|プリンター横ハンガー地獄
まず言いたい。
なぜプリンターの横にハンガーを置くのか。
あれは何だ。
どんな思想なんだ。
用紙を交換しようとする。
インクを確認する。
紙詰まりを直す。
その瞬間。
ガシャガシャガシャ!!!
落下。
雪崩。
プラスチック崩壊音。
しかも、かけてあるハンガーの9割が巻き添えで落ちる。
1本だけ落ちるならまだ分かる。
だが、なぜか連鎖する。
ハンガーという物体、異様に仲間意識が強い。
一人落ちると「俺も!」「私も!」みたいなノリで全員飛び降りる。
お前らは戦国時代の殉死文化か。
結果として、「紙を交換する」という本来30秒で終わる仕事に ──
・落下したハンガーを拾う
・ハンガーの向きを揃える
・再度かけ直す
という、“ハンガー復興支援事業”が発生する。
仕事が増えている。
しかも、誰にも評価されないタイプの仕事が。
|細すぎるハンガーという暴力
さらに問題なのが、会社のハンガー、異様に細い。
細い。
頼りない。
覚悟がない。
あのハンガー、存在感がほぼ針金である。
夏場はいい。
ワイシャツ程度なら耐える。
だが冬。
コートをかけた瞬間、「ミシッ」という、“自分の限界を悟った音”がする。
その後、しばらくして見ると、ハンガーがありえない方向に曲がっている。
もはや「掛ける」というより、コートに敗北している。
こちらも対策はしている。
ハンガー二本使い。
いわば“重量級コート対策フォーメーション”である。
だが、それでも壊れる時は壊れる。
しかも壊れ方が嫌だ。
静かに死ぬ。
「あ、折れてる……」
みたいな感じで発見される。
まるで過労死した現場責任者である。
|ハンガーは、会社の思想を映す
私は思う。
会社の備品には、その会社の思想が出る。
高級チェアを入れろとは言わない。
最新設備を揃えろとも言わない。
だが、ハンガー問題というのは社会における、「小さなストレス」の象徴である。
誰も死なない。
だが、毎日イライラする。
誰も声を上げない。
だが、全員ちょっと困っている。
そして最悪なのが、「まぁ、別に我慢できるし……」
で放置される。
この、“我慢できるレベルの不快”が積み重なると、人間は壊れる。
職場環境というのは、結局そこなのだ。
巨大な問題ではなく、「地味に嫌」の積み重ね。
つまり会社とは、人類とハンガーによる壮大な戦いの物語なのである。
|アンガーマネジメントより先にやる事
最近の世の中は、すぐ心の問題にしたがる。
怒るな。
受け流せ。
感情を整理しろ。
違う。
まず、落ちないハンガーを導入しよう。
話はそこからだ。
こちらは聖人ではない。
プリンターに紙を補充するたび、ハンガーの雪崩を浴びせられて平静でいられるほど、人間は完成されていない。
そもそも、アンガーマネジメント以前に、ハンガーマネジメントができていないのである。
感情論ではない。
収納設計の問題だ。
|人類は、もっと太いハンガーを使うべきである
人は、大きな夢を持ち、語る。
素晴らしい事である。
だが、その前に冬用コートで死なないハンガーを導入すべきである。
話はそこからだ。
私は別に、高級ハンガーを要求している訳ではない。
ただ、紙交換のたびに崩落せず、コート程度で骨折しない、最低限のフィジカルを持ったハンガーを求めているだけである。
人類はもっと、怒りの原因を哲学ではなく収納用品に求めるべきだ。
世の中のストレスの5割くらい、たぶんハンガーで解決するはずである。
これは、ただのおっさんのダジャレではない、我々現場で働くものの切なる願いである。




















