内勤→キャスト→代表へ。
すずの風俗成長記録 ⑤
初めてM性感に入店したとき、ありがたいことに前のお店の本指名さんたちがそのまま来てくれた。私はブランディングが得意だったこともあり、待機の日はほぼゼロ。
入店からわずか数ヶ月で1位になり、全国展開している大手グループの中でも全国1位にまで駆け上がった。
でも、あの頃の私は本当に命を削るように働いていたと思う。
追い続けた数字と、ついてこない技術数字を追うプレッシャー。技術がまだ足りていないという焦り。お客様に応えたいという気持ち。
それらがごちゃまぜになって、心がずっと張り詰めていた。
出勤した日は必ず写メ日記を3件更新。休みの日でも1件は欠かさなかった。でも、目指していたのは写メ日記の更新よりも「来てくれたお客さんを絶対に全員リピーターにする」こと。
前のお店のガチ恋のお客さんも移籍したタイミングで来ていたから、ヘルスのプレイの強要も沢山されたし、それも辛かった。だから前のお客さんに依存するのではなく、M性感好きのお客様に納得いただけるように、技術を伸ばすために講習もたくさん受けた。
講習と実戦を重ねることで、入店して半年くらいにはようやく接客のリズムがつかめるようになってきた。ちょうどその時にYouTubeチャンネル(ホンクレ)も並行してスタートしていたのだけれども、そこで新たな悩みにもつながった。
M性感のプレイを望んでいない、YouTubeを見てきたというだけのお客様も増えてしまって、接客がすごくやりづらかった。
正直今まで私は、お客様に合わせすぎる接客をしていたと思う。無理に話を作っていたし、空気もぎこちなかった。
M性感に関係のない私に会いたいから来てくれるお客さんが増えたことがきっかけで、逆にふっと力が抜けて、「自分らしさ」をそのまま出す接客に切り替えたら、信じられないくらいリピーターが増えていった。
正直ずっと長くプレイヤーをやって1位であり続ける自信は全くない。私が一瞬でも命を削るように仕事をして最高風速を出せた。ただそれだけだと思います。
実は私は、M性感というジャンルに対して「愛」はないと思ってる。「責めるのが好き」とか、「SMに興味がある」とかじゃない。
ただ単に、“受け身がしんどい”という理由でたどり着いたのが、M性感だった。
でも、そこに愛がないからこそ、客観的に見えてることがある。
M性感って、粘膜接触もないし精神的なリスクも少ない。それでいて、しっかり稼げる。私にとってM性感は愛する対象ではなく、最強のビジネスツール。そして、こだわりや感情に振り回されないからこそ、やり方が見える。売れ方がわかる。
「愛がないからこそ、冷静に構築できる店づくり」ができるんだと。
今、私が代表としてM性感のお店をやっている理由。
それは、“自分の戦い方を、ちゃんと理解しているから”なのかもしれない。
次回:私が優しいM性感を立ち上げた理由