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待たされた夜ほど、会えた瞬間に壊れる。

by NATU

📅7/5 願いごとは、まだ書かれない。

駅前の笹に、短冊が揺れていた。

僕も一枚、手に取った。
書きたいことはあった。

「会いたい。でも焦らしたい」

でも、それだけでは少し足りない気がした。

会いたい。
近づきたい。
その時間を、簡単には終わらせたくない。

そう思うほど、ペンはなかなか動かなかった。

だから今日は、短冊の端に小さく一言だけ書いた。

「全世界の人たちが、焦らされに焦らされても、まだ待てますように。」

それが願いなのか、強がりなのかは、僕にもよくわからなかった。


📅7/6 短冊の前で、平気な顔をする。

明日は七夕です。

昨日の短冊を、もう一度見た。

「まだ待てますように。」

本当は、そんなことを願いたかったわけじゃない。

待ちたいんじゃない。
会いたい。

でも、そう書いた瞬間に、
隠していたものが全部こぼれてしまいそうだった。

今日は、新しい短冊を一枚選んだ。

僕は少し迷ってから、ゆっくり書いた。

「明日、ちゃんと会えますように。」

書いてしまったら、
もう平気な顔をするしかなくなった。

明日の夜まで、あと少し。

今日はまだ、焦らされる側の顔をしている。


📅7/7 ようやく会えた夜、願いがほどける。

二日間、待った。二日間、平気な顔をした。二日間、焦らしを飲み込んでいた。でも、その時間は無駄じゃなかった。

会えないあいだに、期待は膨らんでいた。呼吸は浅くなっていた。「会いたい」は、もうごまかせないところまで育っていた。

そして今日、ようやく会えてしまった。それはある意味終わりを意味しているし、始まりも意味している。

瞬間、僕の中で何かが割れた音がした。

安心したとか、嬉しかったとか、そういうきれいな言葉では追いつかなかった。ぱりん、と。

待たされた時間。焦らされた感覚。短冊に押し込めた願い。全部が一気に戻ってきて、胸の奥で爆発した。

ああ、これだったんだと思った。

焦らしは、ただ止めることじゃない。会えた瞬間を、ここまで強くするための準備だった。そのことを伝えられたんじゃないかと思う。わかってもらえたことが、いまはとてもうれしい。

七夕の夜、僕は少し変わった気がする。

今までの僕なら、会えたことに安心して終わっていたかもしれない。でも今夜は違う。

焦らされたぶんだけ、会えた喜びがより強くなる。待ったぶんだけ、次の一歩が深くなる。

殻がひとつ破れた。

Natuくん、バージョンアップです。

今夜の願いは、ただ叶っただけじゃない。
僕をひとつ先に進ませたのだ。

今夜も股間にこぼれたコーヒーが湯気を出している。熱い。

とても熱い。

――いつだって油断はできない


【お詫び】7/7に順番がくると思って7/7用に準備したのに、ほんとは7/14が正しかったんです! …間違えちゃった! ちょうど七夕ネタ使えるじゃん! って思ったのにー!

てへぺろぺろぺろぺろぺろぺろんです…!

【お詫び2】昨今、入浴がどんどんおろそかになっていたんだけど、反省して、ちゃんと時間を取って湯船に浸かるようにしました! 入浴剤入れたらちょっと”やってる感”アップしますね!