
私、生まれはカナダのバンクーバー。と言っても、ちょっと外れた地域で育ちました。
ずっとアイスホッケーをして育ってきて、正直やりたくてやってたわけじゃないけど、お父さんと「高校卒業までは絶対ホッケーを続ける」っていう約束があって。そうしないと大学も行かせてもらえなかったので必死にやってました。
私は日系人で特に小さい頃から日本にすごく強い憧れがあって(日本のアニメやサブカルが好きだったので)おばあちゃんが住む四国に遊びに行くたび「日本って楽しいなぁ、いいなぁ」って思っていました。
だから大学は日本に行くって決めていて、それを目指して勉強もスポーツも頑張ってきました。
そして念願叶って日本の大学に進学。無事に卒業して就職もしたけど会社は1年で辞めました。理由は…合わなかったし飽きちゃったんです。意味の分からないルールや理不尽なことが多くて「あ、日本で会社員として働くのは無理かも」って。地元に一度戻ってみたけど、やっぱり「ここじゃない」って思ってまた日本に戻ってきて。
「英語」「高収入」って条件で仕事を探したら、たまたま見つけたのが“風俗の内勤スタッフ”の仕事。英語を使えて高収入だし「おもしろそう」と思って飛び込んでみたのが業界との最初の出会いでした。
毎日がトラブル、毎日が変化。その刺激がたまらなかった。
私ADHDなんですけど、この業界って本当に向いてるなと思いました。何が起こるか分からないし同じ日は一日としてない。世間では「底辺の仕事」って言われるけど私にとっては、自由に・柔軟に・自分らしく生きられる場所だったんです。
そのうちキャストさんたちと接する中で「私、結局この仕事のこと何も分かってないな」って思って。楽しそうに話す子もいれば、しんどそうな顔で帰ってくる子もいる。そのどちらにも私は具体的なアドバイスができなかった。だから一度キャストという立場も経験してみようと思って自分でやってみることにしました。
結果、ますますこの仕事が好きになった。
私は「エロいのが好き」ってことはなくて、寧ろ苦手な方。でも、それでもこの仕事が好きな理由は「人と人の究極のビジネス」だからだと思っています。
お客さんとキャスト、女の子とスタッフ。その関係性は本当に繊細で人間の“芯”の部分に触れる仕事。その中で誰かの人生の一部に関われることが私にとってすごく大きな意味を持っているんです。
女の子たちのほとんどは何かしらの経済的な事情を抱えて入ってきます。私もお金に困ったことがないとは言えないから、そこに本気で寄り添いたいと思える。
なのに今の業界には“搾取”するお店が多すぎる。
女の子を都合よく使って売上だけを追いかけるようなビジネスを見ていると、本当に間違ってるって思う。女の子はパートナーであって道具じゃない。私が経営をしていく上で、それだけは絶対に守りたい軸です。風俗で働いたことが「人生の黒歴史」として扱われることが多いけど、私は「このお店で働けてよかった」って思ってもらえるような場所を作りたい。“安心できる場所”だったと思ってもらえるようにしたい。
風俗の仕事は、私が“日本に居たい”と思えた理由です。
ただの職業じゃない。私の人生の大切な一部です。
お客さんからしたらただの”娯楽”かもしれないけど、そんな”娯楽”に真正面に向き合って、人を幸せにできる仕事だと信じてます。